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初めての技人国ビザ|学歴・実務経験の要件をわかりやすく

就労ビザの中でも申請件数が多いのが「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」。
この記事では、初めての方でも迷わないように「学歴」「実務経験」の満たし方を中心に、審査で見られるポイントをわかりやすく解説します。結論から言うと、技人国の合否は①職務の該当性(仕事内容)②学歴・実務経験③報酬水準の3本柱で決まります。


目次

要点サマリー(3分で把握)

  • 仕事内容が技人国に該当していること(専門性が必要、単純・反復業務が中心だとNG)。
  • 学歴で満たす:関連分野を専攻した大学・高専・(条件付きで)専修学校の卒業等で可。認定専修学校の専門課程修了者は関連性の判断が柔軟化
  • 実務経験で満たす
    • 「技術/人文知識」類型 → 概ね10年以上の実務経験で代替可。
    • 「国際業務」類型 → 3年以上の実務経験が原則。ただし大学卒が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は3年要件を免除
  • 報酬水準:同職種の日本人と同等以上が目安(通勤・住宅など実費弁償性の手当は除外)。

1. まずは「職務の該当性」を確認

技人国は、自然科学・人文科学の知識を要する業務、または**外国文化に基づく感受性を要する業務(=国際業務)**に該当することが前提です。
「未経験可/すぐ慣れます」型の採用や、反復的な単純業務が中心だと不適合と判断されがちです。在留期間を通じた活動全体で見られる点にも注意。

OK例(典型):システム開発、経理・会計、マーケ・広報、海外営業、翻訳・通訳、語学指導、デザイン、商品企画 等
NGになりやすい例:配膳・清掃・販売員・ライン作業など反復技能中心/「研修」と称し実質的に非専門業務が大半 など(初期研修が一部にあるのは可だが在留活動の大半を占めるとNG)。


2. 「学歴」で満たすパターン

2-1. 大学・高専卒(国内/海外)

従事予定の業務に関連する科目を専攻して卒業していることが基本。海外大も同様の考え方で柔軟に判断。

2-2. 専修学校(専門学校)卒

原則、専攻科目と業務の相当程度の関連性が必要。ただし、文科省認定の「認定専修学校専門課程」修了者は、企業連携の実習等を踏まえ関連性を柔軟に判断する取扱い。専学卒の方には追い風です。

例)デザイン系専門学校の「認定課程」出身→プロダクトデザイン/広告制作などで関連性を柔軟評価


3. 「実務経験」で満たすパターン

3-1. 技術/人文知識(エンジニア・企画・経理など)

おおむね10年以上の関連実務で学歴要件を代替できます(学歴が弱い方の王道ルート)。

3-2. 国際業務(翻訳・通訳・語学指導・広報・貿易 等)

原則3年以上の実務経験。ただし、翻訳・通訳・語学指導に従事する「大学卒」は、この3年要件が免除されます(専攻不問)。

例)経済学部卒のネイティブ講師が語学学校で教える → 実務3年不要でも可(大学卒であればOK)。


4. 報酬水準(給与)の考え方

同種業務に従事する日本人と同等以上が基準。通勤・住宅など実費弁償的な手当は報酬に含めない取扱いに注意。求人票や契約書で総支給と内訳を明確化しましょう。


5. これで分かる!要件クリア早見表

あなたの状況学歴ルート実務ルート補足
海外/国内大学で情報系専攻→ITエンジニア〇(関連専攻)職務記載に開発・要件定義など専門性を明記
文系大学→翻訳・通訳・語学指導〇(専攻不問で可)―(3年免除)大学卒であれば実務3年は不要
デザイン系「認定」専修学校→デザイナー〇(関連性を柔軟判断)認定課程の証明を添付
学歴が弱い→経理職に内定〇(10年以上)職歴証明で年数と内容を具体化
国際広報(PR)に就く予定〇(原則3年以上)職務が「外国文化に基づく感受性」を要する説明が鍵

6. 審査で“落ちやすい”ポイント(回避策つき)

  • 「未経験可」で採用している:専門性が疑われやすい。→ 要件を満たす研修後の職務内容と求めるスキルを明記。
  • 非専門業務が多い配置:配膳・販売・ライン等が在留活動の大半だとNG。→ 研修の位置づけと期間を資料で説明。
  • 専攻と職務の関連が弱い:**業務との接点(学修内容→業務タスク)**を職務説明書でブリッジ。認定専修学校修了なら柔軟判断を根拠づけ。
  • 給与の内訳が不明確:実費手当を報酬に算入しないよう注意。→ 契約書に基本給・手当の区分を明確化。

7. 必要書類(抜粋)

  • 学歴:卒業証明書/学位記の写し(海外大は和訳添付)
  • 実務経験:在職証明書・職務内容証明(役割・期間・フルタイム性)
  • 職務該当性:職務説明書(Job Description)、組織図、研修計画(ある場合)
  • 報酬:雇用契約書(給与内訳・社会保険)、就業規則 等
    (提出書類の基本は出入国在留管理庁の案内がベースです)

8. 申請フロー(最短ルート)

  • 日本国外から採用:在留資格認定証明書(COE)→ 査証発給 → 入国・在留カード交付
  • 日本国内で内定(例:留学→就職):在留資格変更申請 → 許可 → 在留カード更新
  • 在職中の転職:活動機関の変更届 + 場合により所属機関に関する届出も忘れずに(カード記載の変更や届出義務は審査考慮対象)。

9. 事例で学ぶ「書き方」テンプレ(抜粋)

職務説明(ITエンジニア)

  • 要件定義/設計/開発/テスト/運用保守まで一連の工程を担当。Java/Python等を用い、顧客要件に基づく機能開発を行う。

職務説明(通訳・翻訳)

  • 社内会議・メール・契約書・マニュアル等の日英(他言語)通訳・翻訳。国際プロジェクトにおけるコミュニケーション支援、専門用語の統一・用語集の管理。

※大学卒であれば実務3年免除の対象(翻訳/通訳/語学指導)。

関連性の書き方(例)

  • 「経営学専攻で学んだ会計・統計を基礎に、入社後は管理会計レポーティングを担当」
  • 「デザイン系認定専修課程でのUI/UX課題・企業連携実習を基礎に、Webデザイン/ブランドガイド整備を担当」

10. まとめ

  • 技人国は仕事内容の専門性が最優先。
  • 学歴は「関連専攻」が基本だが、認定専修学校は柔軟化。
  • 実務経験は「10年(技術/人文)」または「3年(国際)」、ただし大学卒の翻訳・通訳・語学指導は例外
  • 給与は日本人と同等以上、内訳の整理が実務のカギ。
    迷ったら、職務内容と学歴・職歴の“橋渡し”をどれだけ文章で説明できるかが勝負です。
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